ダイレクトボンディングに寿命はある?手軽にできる審美治療について解説

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。
 

様々な種類の歯科治療や審美治療がありますが、ダイレクトボンディング治療と言われる、ハイブリットセラミックを用いた治療をご存知でしょうか。保険適用になるコンポジットレジン治療と比べ、審美的で耐久性のあるダイレクトボンディング治療は、近年多くの方が利用しています。

しかし、ハイブリットセラミックはプラスチックであるため治療後素材がどの程度もつのか気になりますよね。今回はダイレクトボンディングの基礎知識からメリット、デメリット、寿命などについて幅広く解説していきます。

ダイレクトボンディングってなに?

ダイレクトボンディングとは、歯を出来るだけ削らずに様々な種類のプラスチック素材を歯に被せることで天然歯のように自然で美しい色や形に改善する治療法です。

セラミックの被せ物や詰め物でのデメリットとしてあげられる”歯をたくさん削る”ことが少なくすみ、ご自身の歯を出来るだけ健康に残せることで人気があります。

ダイレクトボンディング治療を用いる歯科治療の種類

ダイレクトボンディング治療ではペースト状にしたハイブリットセラミックが用いられるため、虫歯治療だけではなく様々な治療へ柔軟に適応できます。

虫歯治療

ダイレクトボンディングは虫歯治療の詰め物としても用いられます。見た目は自然歯のようにナチュラルな白さで美しさのため、特に前歯など目につきやすい場所を大きく削る治療で使われることが多いです。また、100%セラミックかセラミックを多く配合した素材を使っているため、耐久性や強度があり歯の根元にできた虫歯治療にも使われます。

すきっ歯(空隙歯列)治療

歯と歯の間に2mm前後の隙間ができている状態をすきっ歯(空隙歯列)と言います。前歯のすきっ歯を気にされる方が多いですが、ダイレクトボンディングでは前歯の隙間を綺麗に埋めることができます。

ホワイトスポット治療

歯のエナメル質にできる白いまだら模様をホワイトスポットと言います。ダイレクトボンディングでは、ホワイトスポット部分を少し削り修繕することで、健康な歯をほとんど削らすに美しい自然な白い歯の見た目を手に入れることができます。

ブラックトライアングル治療

歯肉が縮まって歯と歯の間に三角形の空洞ができてしまうことをブラックトライアングルと言います。ダイレクトボンディングでは、できてしまった三角形の隙間をきれいに埋めて修繕することが可能です。

かけた歯の修繕・歯の形成改善

スポーツや事故などで歯が欠けてしまった場合に、欠けた箇所もダイレクトボンディングでの修繕が可能です。また、歯の大きさがバラバラで小さい歯を大きくしたい時や、強い歯ぎしりによりすり減ってしまった前歯もダイレクトボンディングで治療することができます。

ダイレクトボンディングには寿命がある?

保険適用になるレジンとは違いダイレクトボンディングで用いられるプラスチックは、耐久性と硬度があることで劣化が少ないと言われています。しかし、プラスチックである以上必ず劣化しないとは限りません。ダイレクトボンディングの寿命はどの程度でしょうか。

ハイブリットセラミックの寿命は4〜6年

ダイレクトボンディングに多く用いられるハイブリットセラミックと言う素材は、レジンとセラミックを配合して作られています。セラミック8割とレジン2割で、セラミックの割合が多いので耐久性と強度が増すことでさまざまな症状の治療が可能です。

保険適用のレジン単体であれば3年ほどで素材は変色し、徐々に経年劣化することが多いですが、ハイブリットセラミックの場合は4〜6年経っても歯の美しさを保ち、素材の劣化スピードが遅いです。

ダイレクトボンディングのメリット

歯を削る必要がほとんどない

クラウンやラミネートベニアなどの被せ物、インレーなどの詰め物と比べて、健康な歯を削る量が少なくてすみ、歯への負担が少ないです。歯を削ったり神経を抜くと歯に負担がかかり、健康な歯にとって好ましいことではありません。したがって、歯を削らずに治療ができることは長い目で見ると、歯の健康寿命を伸ばすことにつながります。

他の審美治療と比べて安い

ダイレクトボンディングの費用相場は歯1本につき3万円〜5万円ほどで、1本の歯につき10万円〜12万円のオールセラミッククラウンなどと比べて費用がリーズナブルです。保険適用外になる審美治療の場合は、歯科治療費がかさむことが多いので金額の手頃さはダイレクトボンディングの大きなメリットです。

短期間で治療が終わる

歯科矯正のように歯を動かして歯列矯正をする治療法もありますが、少しづつ歯を移動させるため1〜2年の治療期間になります。ダイレクトボンディングでは症例が限られますが、すきっ歯(空隙歯列)などの治療であれば、隙間を埋めるだけで治療が終わるため短期間で治療が完結します。

また、似た治療方法でセラミックを使ったラミネートベニアもありますが、歯型をとって作成するため、歯に直接処置を施すダイレクトボンディングの方が手軽だと考えられます。治療自体は1日で済むため、早く白いきれいな歯を手に入れたい方にとって大きなメリットです。

アレルギーフリー

保険適用になる銀歯は金属アレルギーを持つ方にとって治療が難しいことがありました。しかしプラスチックとセラミックの素材で治療するダイレクトボンディングでは、アレルギーフリーで治療が可能です。

ダイレクトボンディングのデメリット・注意点

どんな歯科治療であってもメリットだけでなくデメリットも存在します。ダイレクトボンディング治療のデメリットや注意点はどのようなところでしょうか。

プラスチックを含むため経年劣化する

ダイレクトボンディング治療の素材はプラスチックを含むため、長期的に使っていると少々の変色や艶が消えるなど多少の経年劣化があります。変色を改善するためには定期的にメンテナンスを行うことが好ましいです。

適応症例に限りがある

素材がプラスチックを含むため耐久性や強度には限界があり、強く噛む奥歯の治療や大規模な治療には適応できないことがあります。

保険適応になるコンポジットレジン治療との違い

保険適用で歯科治療に用いられているコンポジットレジン治療とダイレクトボンディング治療の違いはどこでしょうか。ダイレクトボンディング治療はどのような症状の治療であっても自由診療になるため、その違いを理解しておきましょう。

素材の寿命

コンポジットレジン治療に用いられる素材の寿命は3年ほどで少しずつ変色が見られたり、経年劣化により割れたりヒビが入りやすくなります。ダイレクトボンディング治療に用いられる素材はペースト状のハイブリッドセラミックなので耐久性と強度が強く、経年劣化が遅いです。また定期的なメンテナンスで寿命を伸ばすこともできるため、素材の寿命には違いがあります。

見た目の美しさ

コンポジットレジンでの治療では天然歯のような透明感や繊細な白さを実現するのは難しく、どうしても治療のための処置という形になります。ダイレクトボンディング治療に用いられる素材は患者さん一人一人に合わせた天然歯のような色合いを作ることが可能で、見た目の美しさには大きな違いがあります。

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