マウスピース矯正で噛み合わせが悪くなる?噛み合わせを悪化させない方法を解説

合屋孝則
2020/10/15

昨今の歯科矯正では、目立たず周囲の目を気にせずに矯正することができる、取り外しができ、食事や会話のときに支障になりにくいというメリットから、マウスピース矯正を選択する人が増えてきました。その一方で、マウスピース矯正は噛み合わせが悪くなるという事例も。実際のところはどうなのでしょうか?

噛み合わせが悪いとどんな影響がある?

噛み合わせについて意識したことはありますか?虫歯や歯並びは気にしても、噛み合わせの良し悪しについてはあまり考えたことがない人が多いかもしれません。しかし、噛み合わせの状態は日常生活を送る上でとても大切なことです。噛み合わせが悪いと、どのような影響があるのでしょうか。

噛み合わせが悪いことで起こるさまざまな症状

顎関節症

顎関節症とは、口を大きく開けることができない、口を開けるときに音がする、口は開くけど引っ掛かりを感じる、顎を動かす筋肉に痛みを生じるといった症状があります。顎関節症の原因は噛み合わせだけではありませんが、原因のひとつではあります。

頭痛・肩こり

そのほかの体調不良の原因に、噛み合わせが関係することもあります。頭痛や肩こりといった不調を感じる人は多くいますが、噛み合わせが原因になっている場合もあります。噛み合わせが悪いことで、顎周辺の筋肉が強張り、血流が悪くなることでさまざまな身体の不調の原因となっていることもあるのです。

めまい・難聴

めまいや難聴など、噛み合わせとは一見全く関係ないように感じる体の不調に影響していることもあります。噛み合わせが悪いと顎の関節や筋肉へ影響しますが、そこからさらに首から上の筋肉へと筋肉の緊張が広がっていき、全身に影響を及ぼします。噛み合わせが悪く、このような身体的不調を感じる場合は、噛み合わせが一因となっている可能性も考慮した方が良いでしょう。

虫歯・歯周病

このように全身に影響する噛み合わせですが、噛み合わせの悪さは歯並びの悪さや顎の骨格的問題が関係しています。歯並びが悪いと、歯と歯の間が磨きづらかったり歯間ブラシやデンタルフロスが上手く通せなかったりするため、充分な口腔ケアができずに虫歯や歯周病の原因となります。

虫歯や歯周病は歯の健康寿命を縮めるので、将来的に歯を失ってしまうことにもつながっていきます。さらには噛み合わせが悪いと、歯によってかかる負担に違いがあり、歯の寿命に影響することもあります。

歯の寿命を伸ばすことの大切さ

1989年から、厚生労働省と日本歯科医師会で「8020(ハチマルニイマル)運動」が推進されています。これは、80歳になったときに20本以上自分の歯があるようにしよう、という運動です。20本以上の歯があれば、食べることに支障がないとされています。食生活というのは、生活の中でとても大切な役割があります。高齢になっても健康でいるためには、食生活や、口からものを食べるという行為はとても大切です。

ひいては、歯の健康寿命を伸ばすために噛み合わせも大事だと言えます。

マウスピース矯正で噛み合わせが悪くなるって本当?

歯科矯正のときに、目立ちにくい、取り外しができるといったメリットから、マウスピース矯正を選択する人が増えていますが、マウスピース矯正は噛み合わせを悪化させるという事例もあります。なぜマウスピース矯正で噛み合わせが悪くなってしまうことがあるのか、どうすれば噛み合わせを悪化させずに矯正治療を終えられるのか解説します。

症例に合ったマウスピースを使用していない

マウスピース矯正で噛み合わせが悪くなったという事例は確か存在しますが、マウスピース矯正そのものに問題があるわけではなく、歯並びだけの審美的側面を重視した結果、噛み合わせが悪くなってしまうケースがあるということです。

歯並びを綺麗にすることが必ずしも噛み合わせを正しくすることと一致しないので、機能面の噛み合わせを十分考慮せずに矯正治療を進めてしまうと、歯並びは綺麗になったけれど、上下の歯が上手く噛み合わないといった噛み合わせの問題が起きることがあります。

特にマウスピース矯正は、比較的軽い症例に特化し、適応でない症例もあります。矯正治療が進むにつれて生じる顎の変化に対応しきれない側面があるのです。

また、マウスピースの製作の段階でマウスピースをした状態の顎の動きのシミュレーションを正しく行わなかった場合、誤った位置に顎が動くように設計されたマウスピースを長期間装着してしまうことになり、取り返しのつかない状態になるまで気付かないトラブルが起きる危険性もあります。

見た目の美しさだけを追求しない

せっかく矯正するのなら、きれいな歯並びにしたいと思うのは当然です。歯科矯正にはお金も時間もかかるので、満足のいく仕上がりにしたいと誰もが思います。

歯並びが悪いと、噛み合わせも悪いものですが、見た目にきれいな歯並びが噛み合わせのいい歯並びかというと、そうではないのです。歯並びのよさと、噛み合わせのよさは一緒ではないのです。

矯正を始めるときに、ゴール地点、どんな歯並びにしたいかということを考えると思いますが、見た目のきれいさだけにこだわってしまうと、先程述べたような、矯正の結果噛み合わせが悪くなった、という状態になってしまう可能性があります。

見た目もよく、噛み合わせもいいという状態が、理想とする歯並びです。見た目がどんなによくても、本来の歯の目的である、食べ物を噛むという行為に支障があっては矯正した意味がありません。

マウスピースは適切なものを使用することが大切

きちんとした噛み合わせときれいに歯並びを整えていくためには、自分に合ったマウスピースを使用することが大前提となります。マウスピースは一度作った形だけで矯正のゴールまでたどり着けるわけではなく、動かした歯の状態に合わせて、何度も作り変えていく必要があります。

マウスピース矯正は歯並びも噛み合わせも整えることができる

歯科医師によっては、マウスピース矯正ではなく、ワイヤー矯正をメインで考えていることもあります。歯科医師によって症例がマウスピースの適応範囲であると判断されれば、マウスピースで矯正を行うことは可能です。

マウスピース矯正が本当に効果があるのかと不安に思う人もいるかもしれませんが、満足のいく結果が得られない原因は、適切なマウスピースを使用していなかったことや、装着時間を守っていないなど、使用方法にも問題があったと考えられます。

マウスピースは取り外すことができますが、1日のうちほとんど(約20時間)の時間を装着した状態で過ごさなければいけません。装着時間が指示された時間よりも短いと治療効果が不十分になる恐れがあります。

  • 自分がマウスピース矯正の適応症例かどうか歯科医師によく確認した上で始める
  • マウスピース装着中の顎の動きまで計算され、正しく設計されたマウスピースを使用する
  • 指定された装着時間を守る

ということに注意すれば、マウスピース矯正で歯並びも噛み合わせも整えていくことができます。

中にはマウスピース矯正が適さないケースも

マウスピース矯正がいいことばかりのように感じますが、マウスピース矯正は万能なわけではなく、治療法として適さないケースもあります。

極端に噛み合わせが悪く、奥歯まで動かさなければいけないような場合は、インビザラインを除いて矯正には適さないため、別の矯正方法を考えることになります。

また、反対咬合(受け口)といって、歯をかみ合わせたときに、下の歯が前に出てしまうような状態の噛み合わせの治療にも、マウスピース矯正は適しません。

適さない症例でマウスピース矯正を行ってしまうと、噛み合わせを悪化させてしまうことにも繋がりかねません。歯科医師によく相談した上で、自分の症例に適した矯正方法を選択することが大切です。

噛み合わせは単に口腔状態だけではなく、体調や食生活、生活の質にもかかわってきます。噛み合わせを整えるメリットは数多くあります。健康な毎日を送るために、噛み合わせが重要であると言っても過言ではありません。歯科矯正を検討する際は、歯並びだけでなく、噛み合わせまで適切に導いてくれる歯科医院を選ぶようにしましょう。

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この記事の監修医

合屋孝則 先生

ごうやたかのり

合屋歯科医院 院長

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