大人と子どもで違うインビザライン治療の流れを解説!

大前正範
2020/10/09

インビザラインは非抜歯、抜歯、子どもの矯正(インビザラインファースト)にも広く適用可能なマウスピース型の矯正器具で、治療の流れは永久歯だけの大人と乳歯がある子どもで異なります。

インビザラインで矯正治療をお考えの方に、それぞれの治療の流れや抜歯のタイミングについて解説いたします。

永久歯列のインビザライン治療の流れ

永久歯列のインビザライン治療の流れは抜歯、非抜歯などの治療プランに関わらず基本的には同じですが、抜歯の有無やタイミングは治療計画や歯科医師の判断によって異なります。

1.カウンセリングと資料採得

○問診
○アライナー作成のための型取り
(iTeroによるデジタルスキャン)
○レントゲン
○口腔内写真撮影
○口腔内審査 など

口腔内検査をして虫歯や歯周病など問題があれば、基本的に矯正前に治療します。

型取りにデジタルスキャン(iTero)を導入している歯科医院なら、その場で自分の歯並びが綺麗になったときの簡易的なイメージ画像が3Dで見られるので、治療後の状態をイメージしやすいです。

2.治療計画の作成

アライン・テクノロジー社が独自に開発した3D治療計画ソフトウェアを使用し、担当歯科医師が治療計画を作成します。

計画が完成したら、予測される歯並びの完成形と治療期間が確認できます。

3.アライナー作成・出荷

アメリカやメキシコ、イスラエルなどにあるアライン社の工場でアライナーが作成され、治療に使われるすべてのアライナーが歯科医院に届けられます。

アライナーが届くまでの期間は、治療計画承認後2~3週間ほどです。

4.アタッチメント装着とIPR

歯の動きをサポートするための米粒大の白い突起(アタッチメント)を歯に着け、必要に応じてIPR(ディスキング)により歯と歯の間に隙間を作ります。

治療計画によってアタッチメントの装着やIPRのタイミングは異なり、治療の経過とともに複数回行われることがあります。

アタッチメントとは?

歯の表面につける歯科用樹脂(CR)のパーツで、歯の動きをサポートして正しい位置に導くために装着します。

アライナーだけで歯列矯正を行った場合よりも治療期間を短くする効果があり、歯と同じ色の樹脂を使用するため目立ちにくいです。

IPR(ディスキング)とは?

歯を並べるスペースを作るために、歯の両端を削って歯と歯の間に隙間を作る処置です。

歯の表面は1〜2mmほどの厚さがあるエナメル質という層で覆われており、最大でそのうちの約3分の1(0.3mm~0.6mm)を削ります。

エナメル質の削除量をきちんとコントロールすれば、虫歯や歯が割れるなどのリスクはほとんどありません。

5.アライナーの装着

インビザラインでは基本的に食事と歯磨きのとき以外の1日22時間以上、決められたスケジュールに従って1枚につき1〜2週間アライナーを装着・交換します。

約4〜6週間ごとに通院してアライナーがフィットしているか、アタッチメントが外れていないかなどを確認し、次の段階のアライナーを受け取ります。

1週間ごとのアライナー交換で次の通院が4週間後の場合、1回の通院で4枚のアライナーを受け取ることになります。

6.治療完了

噛み合わせを確認し、治療後の歯並びをiTeroでスキャンします。

治療前のシミュレーション画像と治療後の実際の歯並びの画像を比較し、噛み合わせや仕上がりに問題が無ければ治療完了です。

微調整が必要な場合は再度治療計画を作成し、追加のアライナーを作製し、理想の歯並びの状態になるまで治療を継続します。

7.保定

治療後は綺麗にした歯並びを保つために保定装置(リテーナー)を使用します。

装着時間は口の状態や歯科医師の指示により異なり、24時間の装着から就寝時のみに減らしていくなどさまざまです。

使用期間は歯ぎしりや食いしばりによる歯のダメージ防止の観点から、一生に渡りできるだけ長期間の使用をおすすめされることがあります。

インビザラインで抜歯するタイミングはいつ?

インビザラインでは奥歯を後方に動かすこと、顎の横幅を拡げること、歯と歯の隙間を作る(IPR、ディスキング)メソッドにより、抜歯をしなくても歯を並べるスペースを獲得する方法があります。

しかし、それだけでは歯を並べるスペースが確保できないとき、歯の生える方向や位置に問題があるとき、出ている口元を後ろに下げたいときなど、メリットがある場合には小臼歯(前から4番目もしくは5番目の歯)や親知らずを抜歯することがあります。

タイミングは治療計画や歯科医師の判断により異なりますが、いくつかのパターンに分けられます。

小臼歯を抜くタイミング①:治療前

ガタガタが激しい症例や重度の出っ歯は、治療前に小臼歯を抜歯することがあります。

先に歯を抜かずに並べると前歯が前方に傾いて歯茎が下がるリスクがあり、歯の動かし方としても効率的ではなく、矯正期間が長くなる可能性があるためです。

小臼歯を抜くタイミング②:矯正治療中

出っ歯や口元の突出を治療する場合は、先に綺麗な歯の直線を作ってから抜歯して、前歯を中に入れて治すことがあります。

親知らずを抜くタイミング①:治療前・治療中

軽度の出っ歯や受け口を治す際に、奥歯を後ろに移動させて前歯を後ろに引っ込めるスペースを作ることがあります。

奥歯を後ろに移動させる場合や、親知らずがしっかり生えていて歯の移動の邪魔になる場合は、治療前や治療中に抜歯することがあります。

親知らずを抜くタイミング②:治療後

まだ親知らずが生えておらず、奥歯を後ろに移動させない症例は、治療が終わるタイミングで抜歯することがあります。

特に下顎の親知らずは顎の骨の中で横倒しになっていることがあり、親知らずが生えようとする力がほかの歯を前に押しすので、歯並びが乱れる原因となるリスクがあるためです。

子どもの矯正(インビザラインファースト)の治療の流れ

インビザラインファーストは乳歯がある子どもの顎の骨の正常な発育や、指しゃぶりや舌の突出癖などの習慣の改善をサポートし、骨格や機能的に整えて美しい永久歯列のベースを作るための矯正です。

大人の矯正のように、永久歯を綺麗に並べるための矯正治療とは目的が異なるので注意しましょう。

将来的に行う永久歯列矯正の期間の短縮や、抜歯や骨格を整えるための外科手術を回避できる可能性を高められます。

全体の流れは従来の矯正治療と同じ

矯正治療は乳歯と永久歯が混在する時期(小学校低学年)の「第1期治療」と、永久歯が生え揃う時期(小学校高学年~中学校以降)の「第2期治療」に分かれており、インビザラインファーストは第1期治療に当たります。

第1期治療だけで歯が綺麗に並ぶのは全体の約10~30%ほどで、100%綺麗な歯並びを希望する場合は、第1期治療に加えて第2期治療が必要です。

第2期治療は永久歯1本1本の歯を綺麗に並べることを目的としており、第1期治療を行わず、第2期治療から矯正を始める方も多いです。

インビザラインファーストを使用した場合

1.インビザラインファーストによる第1期治療
(9歳前後まで)

2.インビザラインで永久歯列を並べる第2期治療
(12歳前後から)

3.保定期間

アライナー発注や治療の進め方は永久歯列のインビザライン治療と同じ

アライナー発注までの過程や治療の進め方は永久歯列のインビザライン治療と同じく、精密検査やiTeroによる口の型取り、治療計画の作成を経てアライナーの装着が始まります。

1〜2週間に1枚ずつアライナーの交換、1日22時間以上の装着、4〜6週間ごとの通院も同じです。

ただし、インビザラインファーストは永久歯を並べることが目的ではないため、IPR、小臼歯や親知らずの抜歯は行いません。

治療期間の目安は1年半

インビザラインファーストでは治療開始より1年半以内を目安に第1期治療を完了し、必要に応じて永久歯が生え揃ってから第2期治療を開始します。

歯科医師の判断によっては、第2期治療まで歯並びを保つためのリテーナーを装着しながら経過観察を行うことがあります。

インビザラインファーストの適応条件

インビザライン・ファーストを使用するには、
下記1~3すべての条件が必要です。

1.第一大臼歯が萌出している
2.切歯のうち少なくとも2歯が2/3以上萌出している
3.少なくとも3/4顎に乳歯(C、D、E)または未萌出の永久歯(3、4、5)が2歯以上ある

乳歯C、D、Eは永久歯の3、4、5に当たり、上顎6本下顎6本の合わせて12本ある

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この記事の監修医

大前正範 先生

おおまえまさのり

北歯科医院 院長

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